
近年eスポーツ(e-Sports)という単語を耳にする機会が増えてきましたね!
日本国内のeスポーツシーンは、一気に盛り上がってきています!
そんなeスポーツシーンですが、詳しい内容や現状の日本のeスポーツ事情に関しては知らない人も多いのでは?
この記事では、eスポーツのオリンピックとの絡みや市場規模・eスポーツのゲームタイトルなどついて、元FPS世界大会出場経験もあるプロゲーマーである流離さんに解説してもらいました。
eスポーツについて色々知りたい初心者の方必見です。
SF2やCSGOの国際大会に日本代表として出場した経歴を持つ選手。
その他FPSタイトルの大会でも多数優勝経験あり。
現在はJet eSportsに所属。
実績→http://twpf.jp/sasraikun
Twitter→@sasraikun
目次
eスポーツとは
eスポーツとは、電子機器を用いて行う競技全般を指します。
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
出典元:eSportsとは"一般社団法人 eスポーツ連合オフィシャル日本"
パソコンやスマホを使って、ゲーム内で勝ち負けを競い合うものは、eスポーツと呼ばれます。
競技性が高くて人気のゲームタイトルには、高額の賞金がかけられることも多々あるようです。
海外では1万人を超える観客が会場で選手を応援したり、配信でも同時視聴者数100万人を超えたりと盛り上がりを見せています。
eスポーツの市場規模について
世界のゲーム市場の分析を行うNewzooによると、2019年のeSports市場規模は、市場形成後初となる10億ドル(1,000億円超)を突破したようです。
出典元:Newzoo: Global Esports Economy Will Top $1 Billion for the First Time in 2019
主な収益源はスポンサーシップやメディアライツ、広告で全体の8割を占めているそう。
ちなみに2016年の市場規模は約500億円なので、3年で倍になっています。
市場規模だけ見てもここ数年で一気に盛り上がっている事がわかりますよね。
全世界のeスポーツのプレイ人口
世界全体を通してのeスポーツプレイ人口は1億3,000万人という統計があります。
日本の統計では、4,400万人がなにかしらのゲームをしている・した事があると試算されています。
またプロゲーマーの数は、一番多い国がアメリカで約12,000人、2位の中国の約3,000人と他国を圧倒しています。
日本のプロゲーマーは約700人と少ない数字にはなっています。今後どんどん増えていくと予想されています。
全世界のeスポーツの視聴者数は?
eスポーツの市場規模レポートに記載されていますが、eスポーツの視聴者数は、全世界で4億5,400万人に到達したそうです。
出典:Newzoo"Newzoo: Global Esports Economy Will Top $1 Billion for the First Time in 2019"
前年比で15%の成長をしており、ここから2022年には6億4,500万人にまで到達すると予測されています。
尋常じゃないほどの伸びで、多くの方がeスポーツに関心を持っていることが分かります。
賞金が高い世界大会について
世界で最も賞金総額が高いeスポーツタイトルは、Dota2というゲームです。
2016年に行われたDota2の世界大会では、賞金総額20億円を超えています。
世界で一番プレイされているFPSタイトルのCS:GOでは、2017年に行われたWorld Electronic Sports Gamesの1億6,500万円です。
その他にも世界大会では、優勝総額が億を超えるものがたくさんあります。
参考サイト:esports earnings"Top Games Awarding Prize Money"
日本大会の賞金は?
日本では残念ながら法律の問題(景表法・賭博罪・風営法)のせいで、多額の賞金が設定出来なくなっています。
個人的なイメージではありますが、日本の大会の場合多くて100万~1,000万ほどの大会が一般的です。
そんな厳しい現状がある中で、2018年12月16日に開催された「シャドウバースワールドグランドプリックス2018」では、優勝賞金が1億1,000万円でした。
恐らく国内の大会では、現状これが最高額でしょう。
高校にもeスポーツの部活・国体がある
現在、高校の部活でEスポーツ部というのがあるのはご存じでしょうか。
高校にもeスポーツを行うための部活が発足しており、全国高校Eスポーツ選手権大会が開催されました。
また、競技環境がない学校にEスポーツ部発足プログラムの支援があったりします。
現在では約80校の高校がEスポーツ部発足支援を受けて活動しています。
eスポーツを学ぶ専門学校もある
eスポーツ専攻の専門学校も増え始めています。
一般的な専門学校と同じで、3年制や4年制になっていて、現役のプロゲーマーを講師に迎えて、eスポーツの事を学びます。
プロゲーマー以外でも解説者やイベント企画、マネジメント専攻などがあります。
eスポーツがオリンピックになる?
オリンピックに先駆けて2018年のアジア競技大会では、デモンストレーション種目にeスポーツが採用されました。
日本代表の選手がアジア競技大会に出場し、金メダルを獲得しています。
また全世界での流行を先読みして、eスポーツをオリンピック競技に入れよう!という動きがどんどん広まっていることも事実です。
まだ正式に競技にはないっていないものの、なる日はかなり近いように思われます。
アジア競技会は一旦白紙になった
2022年のアジア大会正式種目として、一度は正式種目としてeスポーツが採用されました。
しかし、国際的な競技団体が必要ということで白紙になりました。
採用タイトルでも色々と問題があるそうです。
オリンピックの種目になるゲームタイトルの特徴
アジア競技会で白紙になった理由に、オリンピックの種目に選んでいいゲームタイトルが無い、ということがあります。
オリンピック種目にするなら、チーム戦を行えるゲームや、暴力性が薄いタイトルを採用する方針になっているそうです。
しかし、世界で多額の賞金が懸けられている大会は、対戦が必須で競技性の高いものばかりです。
さらにオリンピックタイトルになるゲームには著作権と利用許諾も含まれており、大会1つ開くだけでも苦労します。
五輪競技化には問題が山積みですね。
eスポーツの種目になるゲームジャンル一覧
全てのゲームがeスポーツとして成り立つ訳ではなく、大まかに6ジャンルのゲームが現在ではeスポーツとして成り立っています。
ジャンルの説明と世界的に有名なタイトルを説明していきます。
FPS/TPS(ファストパーソンシューター/サードパーソンシューター)
FPS/TPSとは、自分が主人公になったゲームの空間を移動しながら、武器や素手を用いて戦うアクションゲームのことです。
一人称視点のもの(FPS)と第三者視点のもの(TPS)に分類されます。
eスポーツタイトルには、4~5人のチーム戦で殲滅戦や陣取り戦を行うものが多いです。
有名なタイトルはCounter Strike:Global Offensive(CS:GO)やレインボーシックスシージ、Call of Dutyなどがあります。
日本では、Player Unknown’s Battle Grounds(PUBG)やApexなどの、バトルロワイヤル形式のタイトルが人気です。
- カウンターストライクグローバルオフェンシブ(CS:GO)
- コールオブデューティーシリーズ(BO4,WW2など)
- オーバーウォッチ
- レインボーシックスシージ
- H1Z1
- Apex Legends
- Paladins
- Fortnite
- Player Unknown’s Battle Grounds(PUBG)
- 荒野行動
- World of Tanks
RTS(リアルタイムストラテジー)
軍隊などの指揮官にプレイヤー自身がなって、戦略・戦術を競い合うゲームです。
次に紹介するMOBAと似ていますが、MOBAと異なる点として、チーム戦ではなく個人戦( 1 :1 )であることが多いことがあります。
有名タイトルはStarCraftⅡなどです。
現在は他のジャンルに比べて盛り上がりはあまりない印象です。
昔はStarCraftシリーズの大会が多くありました。
- WarcraftⅢ
- StarCraftⅡ
- Age of Empires
- クラッシュオブロワイヤル
MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)
RTSをチーム戦にした形のゲームジャンルです。
チーム戦略やプレイングを駆使しながら、相手陣地の制圧を目指すゲームです。
現在世界で最も盛り上がっているジャンルであり、高額賞金の大会も多数開催されています。
賞金総額20億円超えのDota2や、日本にプロリーグが存在するLeague of Legendsなどが有名タイトルで挙げられます。
- Dota2
- League of Legends(LoL)
- Hero of the Storm
- SMITE
- Arena of Valor
TCG
TCGとはトレーディングカードゲームの略で、専用のカードを用いてデッキを作成し、対戦するゲームのことです。
手札の構成や試合中の臨機応変な対応が求められるゲームで、日本でもプロゲーマーが多数存在しています。
主な有名タイトルは、Hearthstone や Shadowverseなどです。
- Hearthstone
- Magic:The Gatherning Arena
- Shadowverse
スポーツゲーム
スポーツゲームはリアルのスポーツをそのままゲームにしたものです。
野球やサッカーをゲームとしてプレイし、一人でチーム全体の操作を行います。
難易度が非常に高いゲームジャンルです。
スポーツゲームは、アジア競技大会の種目に採用されたりしています。
現実で出来ないドリームマッチ(チームが違う選手を同じチームに入れるなど)を行えることが、スポーツゲームジャンルの大きな特徴です。
有名ゲームタイトルは、FIFAシリーズやウイニングイレブンなどがあります。
- NBAシリーズ
- FIFAシリーズ
- ウイニングイレブンシリーズ
- ロケットリーグ
パズルゲーム
複雑なルール等がなく、一定のルールに従ってパズルを行う、誰が見ても楽しめるゲームジャンルです。
有名なタイトルにはぷよぷよやテトリスなどがあります。
特にテトリスは、世界最強プレイヤーが日本人なのもあって、非常に大きな盛り上がりを見せているんです。
最近ではぷよぷよeスポーツが発売され、パズルゲームもeスポーツに参入する流れが出来ています。
- テトリスシリーズ
- ぷよぷよシリーズ
格闘ゲーム
自分がキャラクターを使って、相手と1対1の格闘を行うゲームジャンルです。
誰が見ても勝敗や盛り上がりが分かりやすいゲームです。
格闘ゲームは1フレーム(1/60秒)の技入力で勝敗が決まる、非常にレベルの高い世界でもあります。
有名タイトルには、鉄拳やストリートファイターなどがあります。
- ストリートファイターシリーズ
- 鉄拳シリーズ
- DEAD OF ALIVEシリーズ
- バーチャファイターシリーズ
- ソウルキャリバーシリーズ
- BLAZBLUEシリーズ
- GUILTY GEARシリーズ
- モータルコンバットシリーズ
日本で認められているプロゲームタイトル
現在日本では一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が存在し、プロライセンス認定があります。
国内外で活躍できるeスポーツ選手の育成や地位向上の名目のもと、プロライセンスを発行しています。
プロライセンスとして認められているゲームタイトルは11タイトルです。
様々なジャンルでプロライセンスを取得しているプロゲーマーが、多数存在しています。
日本で認められているプロライセンスを発行できるゲームは以下の通り!
- ウイニングイレブン2019
- Rainbow Six Siege
- Call of Duty Black OpsⅣ
- ストリートファイターⅤ
- 鉄拳7
- Guilty Gear Xrd REV 2
- Blaz Blue Cross Tag Battle
- パズドラ
- モンスターストライク
- ぷよぷよシリーズ
出典:JeSU"ライセンス"
スマホのeスポーツタイトル一覧
世界で競技されているeスポーツタイトルは、スマホゲームにも存在しています。
国内外問わず大会が開催され、賞金も多額!
現在世界で人気なeスポーツのスマートフォンタイトルを詳しく紹介している記事もあるので、参考にしてみて下さい。
eスポーツについてまとめ
現在のeスポーツシーンを紹介してみました。
昔と違い、様々なジャンルでeスポーツシーンが活発になってきています。
紹介したゲームタイトル以外でも多数存在するので今後の発展が非常に楽しみです。
また、近年のゲームブームに伴い、’’ゲーマー’’から’’eスポーツプレイヤー’’が多く生まれるようなれば、世界との差も埋まるんじゃないかなと個人的に思っています。
2022年のオリンピックに向けて、日本代表のプレイヤーが沢山増えると、さらに業界が盛り上がって面白くなるでしょう!
eスポーツのコンテンツを楽しんでいきましょう。