
全日本青少年eスポーツ協会 / Gameicが2023年3月24日(金)、一般社団法人国際eスポーツ医学会の設立を発表しています。
同法人は同月9日に設立され、eスポーツが認知症予防や脳機能、コミュニケーション等に与える有用性や影響、心身に対しての働きを究明し、eスポーツを活用した健康寿命延伸を目的にしています。
「一般社団法人国際eスポーツ医学会」設立
今月9回に設立された「国際eスポーツ医学会(ISEM)」は、eスポーツを通じて習得することができる
・状況判断能力
・問題解決能力
・瞬発的対応能力
・集中力
・情報処理能力
・戦略的思考力
などの「精神・身体的な能力」と他者間・グループ間での協調性、そしてコミュニティ内での社会性・先読みや駆け引きのテクニックなどの「社会的な能力」の二つの側面から、
eスポーツによる認知症予防の可能性や脳機能へもたらす影響
コミュニケーションにおける量や質の変化とその効果などに関する基礎・臨床研究
を通じて、健康寿命の延伸を図ることを主な目的として設立されています。
エンタメだけでなく医学や健康領域での新しい可能性の共創へ
同法人によれば、eスポーツがエンターテイメントや興行としてだけでなく、健康増進や認知機能の維持・改善などの医学的な有用性を持つというエビデンスを探り、医学や健康領域での新しい可能性を共創できるにしていくということで、今後は医師や幅広い専門家・eスポーツアスリートと共に活動していくとしています。
国際eスポーツ医学会理事・幹事の紹介
国際eスポーツ医学会の理事・幹事には、5人の専門家が就任しています。
<理事長:吉川 敏一>
京都府立医科大学元学長
公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター理事長
20世紀後半から21世紀初頭にかけて、新たにeスポーツというものが生まれました。
eスポーツは、一娯楽として始まったビデオゲームが技術革新と研鑽を経ることで、エンターテインメント性と競技性を高め、多くの人を熱狂させることで世界中に広がっていきました。
その発展は、eスポーツをエンターテインメントとしてだけではなく、脳の認知機能を高めるなど医学的な恩恵をも私たちに与えてくれています。
私たちは先人たちが築き上げた科学進歩のおかげで長寿となりましたが、それと同時に、いかにして健康でその生を全うするかという新しい問題を多く抱えるようになりました。
その問題を解決するための新たな切り口として、eスポーツが脳機能に対して与える影響や心身に対しての働きを究明し、健やかな長寿のために邁進してまいります。
みなさまのあたたかいご支援やご理解を賜りたく存じます。
<理事:成本 迅>
京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授
精神医学の領域においてもeスポーツの精神的健康や認知機能への効果に関する知見が蓄積されつつあります。
特に、eスポーツを介した他者とのコミュニケーションによる孤独感の軽減効果が報告されており、孤独が問題となっている現代社会において、多くの人のウェルビーイングの向上に貢献できる可能性があります。
われわれは、強い孤独感を持つ高齢者において海馬や視床の体積減少がみられることを明らかにしており、eスポーツによる孤独感の軽減効果と脳への影響について研究を進めたいと考えています。
本学会を通じて、このような研究の発信と研究ネットワークの形成、社会実装の推進に取り組んでまいります。
<理事:平野 滋>
京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授
<理事:谷川 武>
順天堂大学 大学院医学研究科公衆衛生学講座 主任教授
<幹事:杉山 庸一郎>
京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師
まとめ
一般社団法人国際eスポーツ医学会が、今月9日に設立されています。
ここではeスポーツの研究を通じて、健康寿命の延伸を図ることを主な目的としています。
今後の活動に注目が集まりそうです、