
SHIBUYA109エンタテイメント社が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』は、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代のゲームに関する意識調査」を行いました。
公開された調査結果からいわゆるZ世代のゲームに関する多様な向き合い方が明らかになっています。
*SHIBUYA109 lab.の調査レポート[公式サイト]
Z世代の約8割がゲームプレイヤー!
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
まずは、Z世代のゲームに関する行動について概要を調査・整理してみました。Z世代のうち「ゲームをする」と回答したのは約8割にのぼります。
とはいえ、プレイの仕方は「ながらプレイ」「集中プレイ」とにわけられ、グループインタビューでは、ゲームを楽しむ際の様々なアプローチが明らかになっています。
「ながらプレイ」として、寝転がりながらゲームをしながらアニメやドラマを見たり、他の人のプレイ動画を見たりするというものがありました。
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
一方で、集中してゲームをするための工夫も行われており、連続プレイ中に水分補給ができるようにストロータイプの飲み物を用意したり、手が汚れないお菓子を準備したりしているという「集中プレイ」もあがっています。
ゲームタイトルや状況によっては、ながらプレイと集中プレイを使い分けながら、日常の様々な場面でゲームを楽しむことがわかりました。
ゲーム実況動画が動画コンテンツの大きなジャンルに
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
さらに「ゲーム実況を視聴したことがあるか」という質問に対しては、73.3%が視聴経験があり、「持っていないゲームの実況を視聴したことがある」という回答も70.5%となっています。
動画コンテンツのジャンルとしてゲーム実況が浸透しているといえそうです。
なお、実際にゲーム実況を視聴する理由としては「コンテンツとして面白いから」が67.6%で最も多く、そのほかに
「買うか迷っているゲームのプレイ動画を動画配信サービスで見る。公式で出ている動画は実際のプレイ内容と異なることも多いので」
「自分が買わないゲームのプレイ動画も見る。ただ、見ても難しすぎて『自分にはできないな』と思ってしまうのでプレイの参考にしているわけではない」
と多様な回答があがりました。
ゲーム配信動画は、ゲームを攻略する情報として見られているだけではなく、それ自体がエンターテイメントとして楽しまれていると思われます。
プレイ目的でゲームする相手も変わる!?
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
さらに、調査では、Z世代のゲームプレイヤーをプレイ目的によって
「ゲームガチ勢」:現役プロ、プロ志望、大会での活躍を目指す、技術を伸ばしたい
「コミュニケーション重視勢」:特に目標はないが、友人等との交流として楽しみたい
「暇つぶしゲーム勢」:ゲームは暇つぶし、たまにプレイ出来ればいい
の3つの属性に分けて、ゲームの楽しみ方を分析しています。
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
普段ゲームをする相手を見てみると、
「ゲームガチ勢」:「リアルな友達・知り合い(65.0%)」「オンライン上の友達・知り合い(ゲーム内で出会った相手)(40.8%)」
「コミュニケーション重視勢」:「リアルな友達・知り合い(63.0%)」
「暇つぶしゲーム勢」:「ひとり(72.0%)」
という回答がそれぞれ多く見られました。
なお、実際に、ゲームを一緒にする相手を選ぶ際に重視していることという質問に対しては、いずれの属性でも「仲がいい・これから仲良くなりたい」ことが最も割合としては高くなり、全体では53.2%と半数以上が重視していることがわかりました。
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
「コミュニケーション重視勢」では、「仲がいい・これから仲良くなりたい(66.7% )」の次に、「自分のやりたい時間と合う(44.0%)」が重視されています。
一方、唯一「ゲームガチ勢」のみ、「仲がいい・これから仲良くなりたい(54.2%)」の他、「同程度のプレイレベルである(53.0%)、「同程度の熱量やモチベーションである(50.6%)」と、技術やゲームへの熱量も同等に重視しているようです。
ガチ勢は知識も人間関係も深くなりがちか?
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
ゲームプレイ時間も長く、ゲームにかけるお金も多かった「ゲームガチ勢」に注目してみると、「eスポーツ」「メタバース」という言葉の認知度が他のゲーマー層よりも高いという特徴があります。
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
また、メタバースへの関心も高く、バーチャル空間での知らない人との交流に関して興味・関心を抱いている人が多いのも特徴です。
このことと関連しているのか、「一緒にプレイした相手とは会って遊んだような感覚を抱くことがある」と回答したのは「ゲームガチ勢」は55.4%と他の層よりも少し高い割合となっています。
画像:SHIBUYA109 lab.調べ
オンラインゲームをきっかけで知り合った相手を(恋愛的に)好きになったことがあるかという質問では、全体では23.2%が「はい」と回答した一方、「ゲームガチ勢」は、39.8%が「はい」と回答しました。
ゲームに対して熱心な層では、オンラインでの交流が実際のオフラインでの人間関係に深く影響しているようです。
Z世代にとってゲームは『憩いの場』。ゲームを軸にしたトレンドも増加中
Z世代の親世代は、ファミコンなどのゲームを子供の頃から楽しんできた世代で、ゲームに対する寛容な態度が見られます。
そのため、Z世代の子供たちにとっても、ゲームは非常に身近な存在です。
また、ゲームは彼らにとって友達との時間を共有する「憩いの場」でもあります。
友達とゲーム内で待ち合わせをして一緒にプレイしたり、コロナ禍の自粛期間中にはゲームの中で友達と交流するなど、ゲームがコミュニケーションの一手段となっているようです。
Z世代の間では、ゲームの位置づけも身近でポジティブなものに変化しているため、
ゲームの大会である「eスポーツ」
ゲーム実況で登場する「VTuber」
など、ゲームを軸としたエンターテイメントもトレンドとして扱われています。
まとめ
Z世代のゲームに関する調査結果が明らかになりました。
ゲームに親しんだ世代の子供世代ということもあり、コミュニケーション手段などゲームが自然に暮らしの中に溶け込んでいるように思われます。
ゲーマーの中でもガチ勢はゲームへの意欲も高く、これからのeスポーツを背負う世代として心強さを感じます。
また、ゲームに関する動画が動画コンテンツの一つのジャンルとして育ちつつある傾向もみられ、eスポーツが国内でもさらに伸びていきそうですね。