日本でも大流行しているeスポーツ!
法整備も進んで、これからどんどん高額賞金の大会が開催されそうです。
そんな中でどんなゲームタイトルに賞金が出ているのか、どんな日本人が賞金を獲得しているのでしょうか。
世界・日本のeスポーツ大会の賞金と、日本人のプロゲーマーの賞金獲得額をそれぞれランキング形式でご紹介します!
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世界のeスポーツ大会賞金ランキング
世界のeスポーツ大会の賞金ランキングの上位5タイトルをまとめました。
世界ではeスポーツは大流行の興行として成り立っており、1回の大会で数億円が動くこともあります。
紹介するデータは、eスポーツのデータサイト『Esports Earnings』を引用しました。
なお、ゲームタイトル横の金額は、そのタイトルで開催された国際大会の賞金を合算したもので、円への換算は2024年4月24日時点のレートです。
引用元:ESPORTS EARNINGS"Top Games Awarding Prize Money"
1位:Dota 2 $346,429,431.04(約536億2,800万円)
ユーザー数 | 1億人(steamspy調べ) |
主要大会 | The International、Dota Pro Circuit (DPC)、 |
ジャンル | MOBA |
リリース年 | 2013年 |
開発元 | Valve |
対応機種 | PC(Windows、Linux) |
価格 | 基本プレイ無料 |
総合賞金ランキング1位はDota2です。
Dota2は、世界最大のゲームプラットフォームSteamを運営するValve社によるゲームで、MOBAの元祖とも言われています。
MOBAというゲームジャンルは、5対5のチーム戦で敵の本陣を破壊したほうが勝ち、という競技性・戦略性の高いものです。
その大会は世界でも類を見ない賞金規模であることも特徴に上げられます。
例えば、2021年に行われた「The International 2021 Dota2 Championships」では、賞金が約4,000万ドル(約53億円(当時のレート))でした。
巨大な賞金規模の理由は、Dota2の課金システムと賞金を捻出する仕組みにあります。
まず、Dota2の大会の賞金はバトルパスと呼ばれるチケットの売り上げの25%から捻出されています。
つまり、ゲーム内課金が増えていけば賞金額も上がっていくというシステムです。
さらに、このバトルパスは
- バトルすればするほど得られる報酬が大きくなる
- チケットの売り上げが伸びるごとに購入者が貰えるゲーム内アイテムも豪華になる
という仕組みになっており、各プレイヤーはこぞってバトルパスを購入するようになっています。
2位:Fortnite $180,125,990.57(約278億8,300万円)
ユーザー数 | 3億5,000万人(公式発表) |
主要大会 | Fortnite World Cup |
ジャンル | TPS/バトルロイヤル |
リリース年 | 2017年 |
開発元 | Epic Games |
対応機種 | PC/PS5/PS4/Xbox one/Nintendo Switch/iOS/Android |
価格 | 基本プレイ無料 |
フォートナイトは、EpicGames社が提供しているバトルロイヤルゲームで、2020年に同時接続者数が2億5700万人というギネス記録を達成した人気タイトルです。
PUBGや荒野行動と同様に、1つのマップに100人が同時に落ち立ち、最後の1人もしくは最後の1チームになったら勝利。
フォートナイトの最大の特徴に挙げられるのが「建築」を行えることです。
建物を建てることによって敵より有利な位置を取ったり、突然の攻撃を防いだりすることができ、非常に高い戦略性と操作性・判断力が要求されます。
世界でも大流行しており、賞金規模が億を超える大会がいくつも開催されています。
フォートナイトの世界大会で優勝した16歳の少年が、賞金300万ドル(約3億2,600万円(大会当時のレート))を手にしたことで話題になりました。
繰り広げられる建築バトルと読み合いは、初心者の人でも手に汗握る臨場感と緊張感があり、観戦だけでも十分楽しむことが出来ます。
3位:Counter-Strike: Global Offensive $162,323,811.64(約251億2500万円)
ユーザー数 | 月間プレイヤー2万7,500人(公式発表) |
主要大会 | WESG(World Electronic Sports Games CS:GO) |
ジャンル | FPS |
リリース年 | 2012年 |
開発元 | Valve |
対応機種 | PC(Windows,MacOS)/PS3/Xbox360 |
価格 | 1,520円 |
「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)」は、シリーズ総計2,500万本のセールスを誇る有名FPS「カウンターストライク」シリーズの最新作です。
1つのマップに攻守で分かれて、相手を全滅させるもしくは目標を攻め切る/守り切れば勝ちといういたってシンプルなルールです。
最もシンプルで分かりやすいFPSと言っていい作品ですが、難易度と競技性の高さが随一!
その理由はキャラ独自の能力やスキルが無く、単純にプレイヤー同士の撃ち合い技術と戦術で勝敗が決まるからです。
FPSを知らなくても、スーパープレイに魅了されること間違いなし!
なお、2023年3月にアップデートが実施され、同年の夏に「Counter-Strike2」としてリニューアル後、初日から同接100万人を記録して話題となっています。
4位:League of Legends $109,390,707.19(約169億3,300万円)
ユーザー数 | 1億人(公式発表) |
主要大会 | World Championship(世界大会)、League of Legends Japan League(日本大会) |
ジャンル | MOBA |
リリース年 | 2009年 |
開発元 | Riot Games |
対応機種 | PC(Windows,MacOS) |
価格 | 基本プレイ無料 |
League of Legends(LoL)は、ライアットゲームズが運営しているMOBAのゲームです。
Dota2同様に戦略性の高いゲームシステムですが、Dota2とLoLではシステムが若干異なっています。
LoLの方が初心者でも楽しみやすく、日本国内でもLoLの方がプレイヤーが多いようです。
世界のプレイヤー人口も非常に多くなっていて、その分大会が開催されたときの賞金も大きくなります。
賞金が645万ドル(約6億9,500万円(大会当時のレート))にもなった「League of Legends 2018 World Championship」では、プロチーム「DetonationN FocusMe」が日本代表として出場!
日本限定のLJLというプロリーグや、学生向けの「League U」などもあり、日本からでも十分に参入するチャンスがあるゲームタイトルです。
5位:Arena of Valor $89,642,579.50(約138億7,500万円)
ユーザー数 | 世界2億人(公式発表) |
主要大会 | Honor of Kings International Championship、Arena of Valor International Championship |
ジャンル | MOBA |
リリース年 | 2015年 |
開発元 | TiMi Studios |
対応機種 | Android、iOS、Nintendo Switch |
価格 | 基本プレイ無料 |
「Arena of Valor」は「CoD モバイル」も手掛けている「TiMi Studios」が開発し、テンセントゲームズが配信しているモバイル向けの3D MOBAです。
日本では当初「伝説対決-Arena of Valor-」として配信されていましたが、2021年に「アリーナ・オブ・ヴァラー」へとリニューアルされました。
平均で12~18分程度の対戦試合で、プレイヤーはマップ上の敵タレットを破壊し、敵のコアを破壊することで勝利となります。
ゲームモードは3種類あり、中でも最も人気が高いのがグランドバトル(ランク試合)の5v5です。
近年、eスポーツとしても活発になってきており、2021年に開催された「Honor of Kings World Champion Cup 2021」では、$7,728,000.00(約9億円(大会当時のレート))もの賞金が出ています。
日本国内のeスポーツ大会賞金ランキング
次にご紹介するのは、日本国内で開催されたeスポーツ大会の賞金ランキングです。
ここ最近法改正されたとはいえ、高額賞金の大会は中々開催されづらい現状があります。
そんな中でも、1,000万円を超える大会が開催されるようになりました!
ランキングは、ネットで公開されている情報に基づいて作成しています。
1位:PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 2(総額3億円)
2022年に開催された「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE(PMJL) SEASON 2」では賞金総額が3億円となっています。
PUBG MOBILEはPCなどで人気のオンラインバトルロワイヤルTPS「PUBG」のモバイル(スマホ)ゲームです。
現地で武器を調達し、一人もしくはチームで最後の一人になるまで戦うTPSゲームです。
PC版が高い人気を集めていたこともあり、スマホ版でも高い人気を集めています。
2023年に開催される「PMJL SEASON3」では、シーズン賞金総額が1億円と発表され再び盛り上がりが予想されています。
2位:Shadowverse World Grand Prix 2021(総額2億8,000万円)
シャドウバースはサイゲームスが提供する人気のカードゲームです。
かわいらしいカードデザインと戦略的なゲーム設計が魅力で、大会ではプレイヤーもギャラリーも一緒に盛り上がることができます。
2021年に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2021」では過去最高の賞金総額2億8000万円をかけて熾烈なバトルが繰り広げられました。
日本人プレイヤーのkakip選手が優勝しており、その際に優勝賞金1億5,000万円を手にしたことでも話題になりました。
3位:MONSTER STRIKE GRANDPRIX 2019 Asia Championship(総額1億円)
国内のeスポーツ賞金ランキング3位の大会は、モンストのGrand Prix 2019です。
7月13日から14日に幕張メッセで開催された「Grand Prix 2019」は、モンストグランプリ史上最高額となる賞金総額1億円。
試合は4人1チーム制で行われ、タイムアタックRoundとバトルRoundの2つで勝敗を競うルールで行われました。
大会はどんどんススムンガチームが優勝し、優勝賞金の4,000万円とTOYOTA車、スマートフォンなどをゲット!
普段のモンストとは違いゲーム自体に競技性が生まれていて、大いに盛り上がりました。
4位:2021 荒野CHAMPIONSHIP – 夢への道 (総額1億円)
日本のeスポーツ大会賞金ランキング第4位は、2021年に開催された荒野行動の大会「2021 荒野CHAMPIONSHIP – 夢への道」。
荒野行動は、1つのマップに同時に100人が降り立ち、最終的に生き残った1人もしくは1チームが勝利する、TPS/バトロワに含まれるゲームです。
ゲーム内イベントを通じて賞金額を増やす仕組みを採用し、2019年の第1回大会と比べると4倍となる賞金総額1億円となりました。
また、この年から優秀な成績を収めたチームに「荒野プロライセンス」を与えられるようになっています。
賞金だけでなくプロeスポーツ選手としての道も開ける、国内eスポーツの中でも夢の多い大会の一つです。
5位:Rainbow Six Japan League 2021(総額3,200万円)
2015年のリリース以来世界中で根強い人気でプレイされている「レインボーシックスシージ(Rainbow Six Siege)」。
2021年には日本でもNTTドコモのeスポーツブランド「X-MOMENT」の主催で、プロリーグRainbow Six Japan League(RSJ)が開幕しました。
7ヶ月間にわたって実施された同年のシリーズでは、シーズン賞金総額3,200万円と世界大会「APAC North」の昇格戦出場権をめぐって8組のプロチームが熱闘を繰り広げました。
「X-MOMENT」が終了した2024年現在もRSJは、R6Sの日本国内最高峰の大会として継続しており、日本のプロeスポーツの代表的な大会となっています。
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日本人eスポーツプロプレイヤーの獲得賞金ランキング
ここからは、日本人eスポーツプレイヤーの大会獲得賞金の合計の上位5名を順番に紹介していきます。
なお、ランキングはeスポーツデータサイト『Esports Earnings』に掲載されているデータを基に作成しています。
データ引用元:ESPORTS EARNINGS"Top 100 Highest Earnings for Japan"
1位:kakip(かきぴー)選手 $1,228,551.54
画像:シャドウバース公式サイト
日本のeスポーツ獲得賞金ランキング1位は、シャドウバースで活躍しているkakip選手です。
2021年に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2021」に見事優勝を収め、シャドバ史上最高額となる賞金1億5000万円を手にしています。
同年には「rage shadowverse 2021 winter」でも優勝を飾っており、シャドバプレイヤーの中で大きくその名を広めることとなりました。
現在はG×Gに所属し、プロゲーマーとして活動しています。
2位:ふぇぐ選手 $1,003,000.00
画像引用:X(@feeeeeeeeeg)
日本のeスポーツ獲得賞金ランキング2位は、現在よしもとゲーミングに所属しているふぇぐ選手です。
1位のkakip選手と同じくシャドウバースの大会に優勝し、見事高額賞金を手にしました。
年齢は非公開ですが、優勝当時は大学生の年齢ぐらいだったとされており、この年齢で1億円を手に出来るのは、夢がありますね。
この他にも2017年のシャドバの大会にも出場しており、2つの大会でこれだけの金額を手にしています。
なお、kakip選手が優勝するまでは、ふぇぐ選手がランキング1位でした。
3位:むぎ選手 $599,418.88
— むぎ (@Mutyan_cr) November 27, 2023
賞金ランキング3位には、クラッシュロワイヤルで活躍するむぎ選手がランクインしています。
2024年4月現在で20歳という若さながら、2021年と2023年のクラッシュロワイヤル世界大会で優勝しており、同タイトルでは世界初2度のチャンピオンに輝きました。
2度の優勝で計45万ドル(約7,000万円(*2024年レート))を獲得しており、一気に賞金ランキングで上位に躍り出ることになりました。
若手プレイヤーということもあり、今後も順調に獲得賞金額を伸ばしていくことが期待されます。
4位:ときど選手 $409,517.18
画像引用:SFL2022選手紹介ページ
第4位は東大卒プロゲーマーとして有名なときど選手!
現在主にプレイしているゲームはストリートファイターⅤです。その他King of Fightersや鉄拳6、ブレイブルーなど2D3D問わない格闘ゲームをプレイするプレイヤーです。
21歳のころからeスポーツで賞金を稼ぎはじめ、現在も第一線で活躍しています。
国際大会にも多くの招待を受けており、世界的にも知名度の高い選手の一人です。
5位:ガチくん選手 $554,361.68
画像引用元:Red Bullアスリート公式サイト
第5位には、ガチくん選手がランクイン!
ガチくん選手は、ストリートファイターシリーズのプロプレイヤーです。
地元・広島でただただ強くなることを目指してプレイするうちに、プロ選手も参戦する全国大会で優勝するなど結果を残して注目を浴びます。
2018年には米国・ラスベガスで開催された「ストリートファイターV アーケードエディション」の公式世界大会『Capcom cup 2018』にて、同大会で初の日本人初の世界チャンピオンとなりました。
この優勝で日本円にして賞金約3000万円を獲得したほか、Red Bullとスポンサー契約を結び、プロゲーマーとしてのキャリアをスタートさせ、以後国内外の大会に積極的に出場しています。
まとめ
世界のeスポーツ大会は、数億円規模が動く夢のある大会です。
世界のeスポーツ大会と、日本のeスポーツ大会には大きな賞金規模の差があります。
例えば、日本の賞金ランキング1位のkakip選手でさえ、世界賞金ランキングでは103位となっており、どれほどの差があるのかわかるのではないでしょうか。
この点には景品表示法など法律の問題が強く関係しており、過去にはeスポーツの優勝賞金が受け取れなかった、という事件も起こりました。
最近の大会では賞金ではなくeスポーツプレイヤーとしての報酬(労働の対価)とすることで賞金を高くすることもありますが、やはり限界があるようです。
大会賞金に関連する法律の整備を急がない限り、なかなか日本ではeスポーツは流行していかないと思います。
また、世界で賞金規模の大きいゲームタイトルはMOBAなのですが、日本ではあまり流行していません。
MOBAがもっと大流行すればいいな、と個人的には思っています。