eスポーツの中央競技団体である一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が、3月16日にeスポーツ選手を対象としたコンプライアンス研修会をオフラインで開催し、その様子を公開しました。
コンプライアンスはドーピング防止と並んでeスポーツにおいても重要視されており、選手の意識啓発が喫緊の課題となっています。
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プロ意識を訴えるトークセッションや講演
第一部のトークセッションでは、株式会社忍ism代表取締役の百地祐輔氏とフリーアナウンサーの田口尚平氏が登壇しました。
「アスリートとしてのコンプライアンス・倫理」をテーマに、eスポーツ選手に求められるプロとしての意識について語り合いました。
ここで紹介されたのは、特にSNSの適切な情報発信の重要性や、人権・多様性を尊重する姿勢の大切さなど、プロアスリートとして備えるべき視点です。
選手自身の発信だけでなく、周囲の発信にも注意を払うことや、自他の人権を損なうような差別的な言動をしないことなど、プロとしての心構えを訴えかける内容となっています。
スポンサーや税についても講演
第二部では、JeSU競技委員会委員長も務める鈴木文雄理事が登壇しました。「スポンサーとの向き合い方と、スポンサーが期待すること」をテーマに講義を行った。
国内eスポーツ市場の4割がスポンサー収入である現状を踏まえ、スポンサー企業がeスポーツに求める効果や選手の役割期待について解説し、eスポーツ界全体の意識改革が必要だと訴え、選手の発信力強化の重要性を説いています。
第三部では、税理士法人C Cubeコンサルティングの代表である加藤和希税理士が登壇し、「税の意義と役割について」と題してセミナーが実施されました。
eスポーツ選手の多くが個人事業主的な活動をしており、適正な申告と納税が強く求められることを訴えかけています。
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参加者同士の意見交換でコミュニケーション力向上を図る
第四部と第五部では、参加者がグループに分かれて意見交換を行うワークショップが実施されました。
フリーアナウンサーの田口尚平氏が再登場し、『インタビュー対応について』と言うテーマで解説し、擬似インタビューを実施し実際に選手側と取材者側を体験することで、コミュニケーションの難しさを学んでいます。
第五部は、株式会社ディー・エヌ・エーの山田 勝之氏指導の下、『SNSおよび配信との付き合い方』についてのグループワークを実践し、
「SNSへの不適切投稿や削除対応」
「配信中に感情的になり暴言を吐いてしまった場合の対応」
について、グループごとに意見交換が行われました。
まとめ
JeSUがeスポーツ選手を対象としたコンプライアンス研修会を開催しました。
これまでもコンプライアンス研修会は実施されていましたが、今回は初めてプロライセンス保有選手以外にも幅広く声をかけてオフラインでの実施となっています。
eスポーツの中央競技団体としてJeSUは今後も、コンプライアンスやアンチ・ドーピングなどの研修会を開催し、選手の意識を高めるための活動に継続的に取り組むとしています。
国内eスポーツ市場は125億円規模に成長しているとされており、エンタテインメント産業としてより健全に成長するには選手の意識啓発と支援は欠かせない要素の一つです。
その意味でJeSUをはじめとするeスポーツ関連団体の積極的な取り組みが、eスポーツ界全体の発展につながっていくことが期待されます。。