
2022年10月26日、一般社団法人 日本eスポーツ連合(以下、JeSU)は、2021年の日本国内におけるeスポーツ市場に関するデータをまとめた「日本eスポーツ白書2022」を11月に刊行することを明らかにしました。
さらに、市場規模やファン数など代表的なデータが一部公開されており、eスポーツ市場が順調に成長していることが窺えるものとなっています。
2021年国内eスポーツ市場規模は前年比115.5%の78.4億円に!
出典(日本eスポーツ白書2022/角川アスキー総合研究所)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020〜2021年の成長率はやや鈍化したものの、市場規模は着実に拡大していることがわかります。
コロナ禍の影響が落ち着く2022年以降は、国内海外の大型競技大会が再開されることもあり、市場規模は年平均20%を超える成長率で拡大することが見込まれています。
さらに、2025年には約180億円まで成長すると予測されているとのことです。
eスポーツ市場の6割は「スポンサー」
出典(日本eスポーツ白書2022/角川アスキー総合研究所)
2021年のeスポーツに関連する市場規模を項目別に見てみると、最も大きい割合を占めるのが「スポンサー」で62.7%で、「放映権料」「アイテム課金・賞金」と続いています。
注目すべき点として「ストリーミング」について大きな成長が見られました。
選手やチームが、ストリーマーとなり、直接の試合以外のイベント等で拡散力を発揮したことが大きな要因の1つと考えられます。
2022年以降も、この「ストリーミング」カテゴリーの伸長が注目されそうです。
2021年日本eスポーツファンは前年比108%の増加
出典(日本eスポーツ白書2022/角川アスキー総合研究所)
eスポーツ市場の成長に欠かせないファンの数についても調査が行われています。
データによると、2021年の日本eスポーツファン数(試合観戦、動画視聴経験者、地上波番組等の関連放送視聴経験者)は、前年比108%の743万人となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大中という状況ではありましたが、大会やイベントのオンライン配信や視聴が定着したことにより、ファン数が大きく減ることはなく、着実に増加していると考えられます。
さらに、2025年には日本のeスポーツファン数が1,200万人を超えることが予測されているようです。
「日本eスポーツ白書2022」とは
「日本eスポーツ白書」とは、日本国内のeスポーツの普及と発展のため、
・大会等の興行
・地方創生
・国際交流
・教育
・福祉
など、あらゆる領域における、eスポーツ利活用の推進を目的として本年より発行されているもので、今後は年2回の刊行を予定しています。
掲載されている調査データは、JeSUからの委託により、株式会社角川アスキー総合研究所が実施したユーザー調査をベースに、eスポーツ関連各社の決算など公開されている各種情報から、市場規模等を分析したものです 。
11月30日に刊行予定の「日本eスポーツ白書2022」には、
・市場関連情報
・会員法人へのアンケート調査
・関係省庁や国際団体、IPホルダー、プロeスポーツ選手の寄稿
など、eスポーツ事業に取り組んでいる人々に向けた多角的な情報が掲載される予定となっています。
「日本eスポーツ白書2022」の概要
書籍名:日本eスポーツ白書2022
発行元:一般社団法人日本eスポーツ連合
発売日:2022年11月30日(予定)
価格:100,000円(税込/本体価格:90,909円)
ページ数:約250ページ(予定)
頒布形態:光ディスクメディア(オンデマンド印刷が可能なPDFデータを格納)
制作・販売:株式会社角川アスキー総合研究所
販売サイト:f-ism(エフイズム)
まとめ
2021年の国内におけるeスポーツ市場に関するデータをまとめた「日本eスポーツ白書2022」が刊行されることになり、市場規模やファン数など代表的なデータが一部公開されました。
新型コロナ禍があったもののいずれの指標も前年比で成長を見せており、2025年まで堅調な成長を見せると考えられています。
また、市場の中でもスポンサーシップの割合が大きく、一般のファンのみならず各企業がeスポーツに注目していると言えそうです。
今回刊行された「日本eスポーツ白書2022」は、eスポーツ業界にスポンサーなど様々な形で参入を検討している企業にとって重要な道標となります。
これから年2回の刊行が予定されているとのことなので、毎回のチェックが必要になってきそうですね。